児童福祉施設とは?児童福祉施設へ就職・転職を考えている時のポイント!

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児童福祉施設とは?

児童福祉施設は家族に恵まれない子どもや心身障害、機能の低下などで家庭で十分な養護が受けられない子どもを入所、通所させる施設です。

豊かな愛情を持った対応、適切な保護を中心とした家庭的な雰囲気を作っていくことが大切です。退所後のアフターフォローも行い、自立した生活が送れるように生活指導、職業指導を行っていきます。

児童福祉施設には11種類あります

  1. 助産施設
  2. 乳児院
  3. 母子生活支援施設
  4. 保育所
  5. 児童厚生施設
  6. 児童養護施設
  7. 障害児入所施設
  8. 児童発達支援センター
  9. 情緒障害児短期治療施設
  10. 児童自立支援施設
  11. 児童家庭支援センター

乳児院とは

乳児院とは、乳児を入院させ、養育し、退院したものについて相談その他の援助を行うことを目的とした施設です。

乳児院には、棄児、父母の死亡・離婚などで保護者のいない乳児、保護者に監護させることが不適当な乳児が入所します。

乳児院で行う養育の内容としては、精神発達の観察、指導、授乳、食事、おむつ交換、入浴、外気浴、睡眠、身体測定、感染症の処置など多くのことがあります。短期入院が多いため、退院後は家庭と密に連携をとって養育を行っていきます。特に親から離された乳児の精神面、情緒面に配慮した養育が必要になります。

保育士の就職・転職のポイント

乳児10人以上が入所する乳児院では乳児1.7人に対して1人以上の看護師・保育士・児童指導員のいずれかが必要とされています。ただし看護師は乳児10人で2人以上、以下10人毎に1人とされています。このため10人の場合は7人以上の配置義務があります。

乳児院では配置義務が非常に人数が多いため、保育士を求める声は多くなっています。

母子生活支援施設とは

母子生活支援施設とは、配偶者のいない母子の福祉を図る施設です。精神的にも経済的にも不安定な状態である母子を入所させ、保護、援助し、生活、住居、教育、就職などサポートしていきます。

ただ母子の生活を支援するだけでなく、親子関係の再構築や退所後の生活の安定のための相談、助言、指導、支援を行い、自立を促すことを目的としています。この時、母子の私生活を尊重することが重要です。

保育士の就職・転職のポイント

保育士は保育所に準ずる設備がある場合は30人につき1人(最低1人)が配置義務となっています。保育士の配置義務は少ない施設ですが、この他に母子指導員、少年指導員の配置義務がありますが、国家資格ではありませんが、地方公務員という立場になっています。なお、保育士の資格を有するものは母子指導員、少年指導員として働くことができます

少年指導員については児童指導員の資格取得を条件にしているところもあります。

児童養護施設とは

児童養護施設とは保護者のいない児童、虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を入所させ、擁護し、退所した児童に対するアフターフォローも行っていく施設です。

心に傷を負っている児童も少なくなく、人間不信になっていたり、精神的に不安定な子どもも多く入所します。入所後には精神的な安定の確保に配慮しながら、集団生活の中で人間関係を経験し、人間不信をなくし、共に成長していく環境づくり、支援を行っていきます。

児童養護施設の目標は子どもの自立、家庭復帰、社会へ巣立つ準備を行うことです。このためには生活指導、学習指導、職業指導など多くの指導が必要で、人間性や社会性を養いながら自立した生活に必要な知識や経験を得るように指導していく必要があります。

また児童の長所を伸ばすことで自信を持たせたり、将来への希望を持たせたりすることも大切です。このように適正、能力に応じた職業選択ができるような支援も行っていきます。

保育士の就職・転職のポイント

3歳未満2人に対して1人、3歳以上4人に対して1人、少年6人に対して1人の保育士および児童指導員の配置義務があります。

また児童養護施設には乳児が入所することもあり、この場合には乳児院と同じ基準が課せられ、1.7人に1人の看護師・保育士・児童指導員の配置が必要になります。

このように児童養護施設では低年齢の子どもが多いほど保育士を必要としており、児童養護施設への就職・転職を考えている場合には入所児童の年齢を確認してみるのもひとつのポイントです。

障害児入所施設とは

障害児入所施設とは、障害児を入所させる施設ですが、主に2種類に分かれています。

  • 保護、日常生活の指導、および独立自活に必要な知識技能の付与をすることによる支援を行う福祉型障害児入所施設
  • 保護、日常生活の指導、独立自活に必要な知識技能の付与および治療を行う医療型障害児入所施設

このように福祉型と医療型にわかれています。治療を行うか行わないかの違いです。これによって配置される職員には違いがあります。

生活指導としては施設退所後、できる限り社会に適応できるようにすることが重要です。学習指導は児童養護施設に準じること、職業指導は児童が将来できる限り健全な社会生活を営むことができるように行わなければいけないこととしています。

保育士の就職・転職のポイント

福祉型障害児入所施設の場合は、知的障害児、自閉症児、盲ろうあ児、肢体不自由児と入所させる施設ごとに配置する職員に違いはありますが、児童指導員、保育士は配置義務となっています。医療型障害児入所施設の場合は、病院として必要な職員が必要になりますが、児童指導員、保育士は配置義務となっています。

このようにどちらの施設でも保育士を募集することがあります。障害児のサポート、生活指導、学習指導、職業指導と幅広いサポートが必要となっており、医療との連携や他職員との連携もあり、児童と近くで接する保育士は非常に重要な役割となります。

情緒障害児短期治療施設とは

情緒障害児短期治療施設とは、軽度の情緒障害を有する児童を短期間入所、もしくは通所させ、その情緒障害を治し、退所したものの相談その他支援を行う施設です。

情緒障害とは学校生活や社会生活に支障となる状態で、緘黙や習癖、不登校などの人間関係や環境による影響での情緒が不安定になる状態です。また自閉症のように人との関わりが困難で発達に偏りがある状態をいいます。

保育士の就職・転職のポイント

児童指導員、保育士は配置義務となっています。情緒障害児は軽度の情緒障害であり、医師や心理療法担当職員、個別対応職員、家庭支援専門相談員などと連携を図って情緒障害を治療していきます。

軽度情緒障害のため、信頼関係を築き難いことがありますが、保育士は児童と距離が近く、他の職員よりも信頼関係を築きやすい立場にあります。引きこもりの子どもを育てた経験のある方などはその気持ちをわかってあげられることもあるかもしれません。自身の経験なども活かされる可能性の高い職場です。

児童自立支援施設とは

児童自立支援施設とは、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他環境上の理由により生活指導などを要する児童を入所または通所させ、指導、自立の支援を行い、退所後のアフターフォローを行う施設です。

保育士の就職・転職のポイント

情緒の安定、生活や学習への意欲向上、規範意識や職業生活への関心を高めていき、社会的自立を図っていきます。反抗期の子どもを育てた経験のある方なら、自身の経験を活かしていける可能性も高い職場です。

児童家庭支援センターとは

児童家庭支援センターとは、地域の児童に関する相談を受け付け、専門的な知識や技術を必要とするものに応じ、助言を行います。児童相談所に比べるともっとライトな施設といえ、児童相談所のように積極的な介入を行ったり一時保護を行ったりはできません。

保育士の就職・転職のポイント

相談を受ける施設なので福祉現場での職務経験のある人を優先的に採用します。このため未経験保育士の採用は厳しいと言えます。

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