生活指導とは?子どもが基本的生活習慣を身につけるために援助し、安全教育や社会性も育てていくこと

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生活指導とは

子どもは生まれながらにして生きていく上での生活習慣を覚えているわけではありません。小さなころからの積み重ねで、毎日の生活を成り立たせるための習慣を身につけていきます。

保育所では生活と遊びをわけ、子どもが主体的に行動し、様々な活動ができるようになることを目標とし、援助していきます

基本的生活習慣とは

基本的生活習慣とは毎日を送るうえで最も大切なことのひとつです。習慣化された行為のことであり、生命維持のために毎日繰り返すものを基本的生活習慣といいます。

  • 食事
  • 排泄
  • 睡眠
  • 着脱衣
  • 清潔

以上の5項目が挙げられます。

食事の習慣

食事は授乳、離乳食、大人と同じ食事と段階を踏んで食べれる範囲を増やしていきます。この食事は栄養補給以外にも人間交流という側面を持っています。残さず食べたり、好き嫌いをなくそうと教えることも大切ですが、保育士や友達と関わり合いながら、楽しんで、一緒に食べ、その上でバランスよく栄養補給をすることが大切です。

子どもが食事は楽しいとポジティブに思うことが好き嫌いをなくしていったり、様々なものを積極的に食べていくことに繋がります

排泄の習慣

乳児、幼児はおむつを履いている間は尿意、便意を感じたときにそのまま排泄してしまいます。しかし排泄の習慣を確立するためには、便意、尿意を感じたときに適切な場所で排泄し、後処理ができるようにならなくてはいけません。お母さんにとっても大変なおむつ卒業。その支援を保育士も行っていく必要があります。

おおむね2~3歳頃におむつが外れるようになってきます。しかしそれまでの道のりは大変なもの。自立を早めたい余りに無理に行えば子どもは情緒不安になったり、排泄にネガティブな印象が付き、よりおむつ卒業ができなくなっていくといった悪循環が起こることもあります。

トイレできちんと排泄できるようになった時に、スッキリした気持ちや、汚れない心地よさを教えていくことで、自分で排泄を行うことができるようになっていきます

睡眠の習慣

新生児は2~3時間ごとに寝て起きてを繰り返し、少しずつその感覚が長くなっていきます。このように一定のリズムで睡眠、覚醒を繰り返しています。1歳を過ぎると午前、午後にお昼寝をし、夜には長い睡眠がとれるようにと、大人の睡眠に近づいていきます。2歳~4歳では午後にお昼寝一回だけで済むようになってきます。5歳からはお昼寝をしなくても大丈夫な子どもも出てくるようになり、小学校1年生となる6歳頃にはお昼寝の必要もなくなっていきます。

着脱衣の習慣

子どもは1歳くらいから着脱に興味を持ち始め、脱ぐ時に自分で手を引いて抜き始めたりと行動に現れてきます。もちろん袖や首を通したりは難しく、ボタンをはめるのはさらに難しいので、イライラして投げ出したり泣いてしまう場合もあります。

しかし子どもが自分でやりたいという気持ちを受け止め、それぞれの状況に合わせて援助してあげることで子どもが自分で着脱衣が行えるようにしていきます。

また、夏や冬といった寒暖に合わせた衣服を選べるようになったり、調節ができるように教えていくことも大切です。

清潔の習慣

掃除だけではなく、子どものうがい、手洗い、はみがきなど体を清潔に保つことを教えていくことは保健の面からみても非常に大切なことです。風邪やインフルエンザ、ノロウイルスが流行することを防ぐ効果もあり、日々保育の中で習慣にしていくことが大切です。

また保育士が率先して行い、掃除などもまめに行い、その姿を見せていくことで綺麗にするということを意識し、習慣として確立することができるように促すこともできます。

安全教育とは

子ども自身が安全な生活を送れるようにしていく必要があります。そのために普段の生活の中で危険なことや場所を教えたり、交通安全や災害時の訓練などを行っていきます。

危険から避けるだけでは、危険であるということを本当の意味で認識することができません。直接的な体験をさせることができませんが、子ども自身にとってなにが危険なのか、危険に対する判断力を育てることも大切です。

経験しながら危険性、安全性を覚えていく

例えばハサミは危ないからと使わせないわけにはいきません。どうして危ないのかを教えながら、実際に使って覚えていく必要があります。保育士はこういったときに安全性を確保しながら援助していく必要があります。

子どもは最初は安全か危険かを判断して物事を行いません。自分の意志が向いたままに行動をしていきますが、これによって転んだりして少しずつ学んでいきます。この新しいことにチャレンジしていくことが子どもに充足感をもたらし、判断力を培っていきます。

このように安全面だけに目を向けるのではなく、子どもの挑戦したい気持ちを読み取って、状況に合わせて環境を変えたり、援助することで子どもの達成を援助していきます

社会性教育とは

乳児や幼児の社会性というとピンとこないかもしれません。

乳児の社会性

乳児の社会性は母子関係が重要です。母子関係が良好であることで大人への信頼関係が生まれ、他の大人へ対しての信頼感、社会への信頼感へと繋がります。

幼児の社会性

幼児の社会性は母子関係に加え、仲間関係や対人関係、時にはコミュニケーション能力です。子どもが成長すれば、友達や虫や動物に対する道徳性も大切になってきます。

しかし難しいところは、集団生活をすれば社会性が身につくということではない点が重要です。一人ひとりの自己が充実していながら、その中で子ども同士が触れ合い、関わりあえるように保育を行うことが大切です。

子どもたちは決して同じ環境で生まれ、育ってきたわけではありません。個々に違う生活を経験してきているため、個に配慮しながら、子どもを受け入れて肯定していくことで保育士との信頼関係が生まれていきます。その後少しずつ友だちへと目を向けていくようになります。

こうして保育士、友だち、集団と、少しずつ集団と関われるようになり、その楽しさを知っていきます。このように個から集団への段階をしっかりと踏み、子ども自身が集団のなかで自分を生かすことができるように保育を行っていくことが大切です。

保育士の就職、転職で確認するべきポイント

このように保育士と乳幼児との関係は、その子どもの将来を決める大事な時期に接することといえます。子どもを受容し、子どもの言動や気持ちをあるがままに受け止めることが大切です。肯定されること、共感してもらえることで子どもは少しずつ信頼という気持ちを持っていきます。

保育士として就職、転職を考えている場合には、今一度、子どもをサポートし、受け入れるという気持ちを再認識しておきましょう。

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