「保活」の実態から、親子どもの年齢、就労状況などを知って保育業務に役立てよう!

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子どもを認可保育園等に入れるために保護者が行う活動「保活」

保活を行っている親の年齢、子どもの年齢、就業状況などを知ることで、どういった保育が求められているかと予想することもできます。

保活を行っている人の多くは共働き世帯だったり、共働きをしたいために預ける家庭が多いですが、逆をいえば「仕事の時間の間は預かってほしい」「長時間保育を希望している」「土日の保育希望」など様々な希望が見えてきます。

ここで厚生労働省が平成28年7月28日に公表した「保活の実態に関する調査の結果」を見てみましょう。

都道府県別回答数(上位5都府県)は以下のようになっています。

  • 東京都 1,638件( 29.7 %)
  • 大阪府 698件( 12.7 %)
  • 神奈川県 523件( 9.5 %)
  • 福岡県 419件( 7.6 %)
  • 埼玉県397件( 7.2%)

回答者の年齢構成

回答者ではありますが、圧倒的に30代が多いことがわかります。裏を返せばアンケートなどにも積極的で、より預けたいという気持ちが強いのが30代ともとらえることができそうです。

  • 10代 5人
  • 20代 710人
  • 30代 3,895人
  • 40代 868人
  • 無回答 34人

回答者の家族の就労状況

共働きが約80%となっています。給与の低下から共働きになる家庭は多く、結婚した後もそれぞれ仕事は辞めないままの家庭が多くなってきています。ましてや子どもが生まれたとなればお金もかかり、仕事を辞めるどころかより働かないとという声も聞こえてきます。

保活対象の子どもの年齢

0歳と1歳が圧倒的に多くなっています。共働き世帯が多いことも理由の一つですが、実は0歳が多くなっている背景には、本来であればまだ幼い0歳の間は親子で過ごし、1歳から預けたいという人が多いのですが、1歳から預けたい人が最も多いために預けられない可能性が高く、0歳から預けてしまおうと考えている人が増えているという実態もあります。

保活を開始した時期

なんと妊娠前、妊娠中と産まれる前から考えていた人が20%近くもいます。0歳児で預けることを考えている場合にはこのタイミングから考え始めなくてはいけません。また妊娠から出産後1年以内に保活を開始した人は75.9%と約8割となっています。

このことからも1歳時に預けたい人が最も多い様子が伺えます。

保育士からみたこの「保活の実態に関する調査の結果」の信ぴょう性

次の図をみてください。「保活」の結果についての結果です。

「保活」の結果について

私は東京都中野区に住んでいますが、この結果は私の肌感とは開きがあるように感じています。私は現在1歳(2017/02/21現在)の子どもがおり、同年代の子どものママ友達も何人かおり、実際に子どもを持つ親の意見にも触れることができる立場にあります。

しかし現状認可保育園への入園が決まった人は世田谷区と中野区で1人ずつの2人。早い段階から保活を始め、申し込みも行っていました。片方の家庭は0歳児保育にも受かっていたので、1歳児保育でも入所の可能性は高かったのですが、どちらも所得が少なく、一般的な会社員を夫に持つ家庭と比べれば入園へ大きくリードしているといえる家庭です。

他の友達家庭はかすりもせず。基本的に入園には何十人待ちという状況が続いています。

現在3歳になる子どもがいる家庭では、0歳、1歳、2歳と保育園に落ち、もう幼稚園へ入れると言っている家庭もいます。

この結果ではなんと82.5%が認可保育園を利用できているという結果になっていますが、こと東京だけで見てみればこれはとても参考にはならない数値ではないかと考えられます。

「保活」の結果に利用できた保育施設など

なんと「86.0%が認可保育園などに入所している」と出ています。この結果には「バカおっしゃい!」と言いたいほど東京都の現実とはかけ離れていると感じます。例えば東京中野区のある地区にあるいくつかの認可保育園の全てが10何人、何十人待ちの現状で8割以上が認可保育園に預けるというのは到底不可能な話です。

保育士の就職、転職で確認するべきポイント

「保活」の実態の調査結果が、東京都の実態とはかけ離れている様子に興奮してしまいましたが、この調査を保育士の転職・就職に活かすとすれば、乳児の保育をする可能性は多分にあるということがあげられます。

乳児の保育に自信のない人は幼児保育からの園を選びましょう。大きい子どものほうが楽なわけではありませんが、乳児に比べれば命の危険などは少なく、リスク負担は少ないといえます。

関連記事:東京中野区の入園・申込み状況を例から見えた、保育園の事情や就職・転職のポイント

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