保育士になるには?著者の保育士国家資格の受験体験談、おすすめの勉強法紹介

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保育士になるには

保育士になるには、なによりも資格が必要です。保育士は国家資格であり、資格を取得しなければ保育士として働くことはできません。

保育士資格の取得方法は、短大、大学、専門学校の保育士養成過程を修了することで保育士資格を取得するか、保育士の国家資格に合格する方法のふたつがあります。

平成15年保育士資格が国家資格へ

保育士資格が民間資格から国家資格に変更され、平成16年に国家資格がスタートしてからというものの、とても人気の資格となっています。短大、大学、専門学校など学校教育法に基づいた学校を2年以上の課程をクリアしていれば試験を受けることができるようになり、今までに保育士課程を受けてこなかった人にも受験のチャンスがうまれたからです。

年度受験者数合格者数合格率
平成27年(2017)46,48710,57822.8%
平成26年(2016)51,2579,89419.3%
平成25年(2015)51,0558,90517.4%
平成24年(2014)52,2579,72618.6%
平成23年(2013)49,3076,95714.1%
平成22年(2012)46,8205,32411.4%
平成21年(2011)41,1635,20412.6%
平成20年(2010)37,7443,98910.6%
平成19年(2009)38,0327,75020.4%
平成18年(2008)39,1925,69314.5%
平成17年(2007)37,2886,29116.9%
平成16年(2006)35,2374,51612.8%

出典:厚生労働省 保育士試験の実施状況

このように保育士国家試験が始まって一般受験者全体で84,827人と8万5千人以上が合格しています。これは国家資格受験者の中で通常受験者の数値なので、保育課程卒業での資格取得者や全科目免除者の合格者数は含まれていません。

合格率は高くはないが、3年以内に受かればいい

合格率は決して高くはありませんが、8科目の筆記試験と実技試験を3年以内に全部受かればいいという仕組みになっています。例えば一回目の受験で5科目合格したのであれば、残りの2年で残り3科目と実技試験を合格できればいいことになっています。

ただし実技試験は筆記試験を全て合格していないと受験することができません。

ライターの「保育士 陽乃」の 保育士国家試験 受験体験談

私は子どもが大好きなこともあり、ふと保育士試験を受けてみよう!と思ったのが34歳の時。独身でしたし、子どもはいませんでしたが、正社員として毎日働いていました。時間は仕事が終わり帰宅した後。ひとり暮らしなのでご飯もそこそこに勉強に日々が始まりました。

試験を受けてみようと思ってから試験半年近くありましたが、最初の3ヶ月は調子よく勉強していたものの、後半は完全にペースダウン。結果的に最後2ヶ月はほぼ勉強することもなく、最後まで終わらない程度の勉強内容で初回の受験に向かいました。

鬼門だった2科目

受験科目は8科目あり、全て6割以上の点数で合格となります。

  1. 保育原理
  2. 教育原理及び社会的養護
  3. 児童家庭福祉
  4. 社会福祉
  5. 保育の心理学
  6. 子どもの保健
  7. 子どもの食と栄養
  8. 保育実習理論

このなかで鬼門は教育原理と社会的養護。この2科目はセットになっており、両方とも6割以上の得点をとることで「教育原理及び社会的養護」の1科目が合格となります。つまり片方落としてしまうと来年両方とも受け直しになってしまう難関です。そして最難関と言われている科目が「子どもの食と栄養」。食品の成分など学校で勉強していた頃と変わらない内容で、歳を取った脳みそにはなかなか大変な科目です。

結果、私は初回受験で「社会的養護」と「子どもの職と栄養」を落としてしまいました。見事に前評判通り、例には漏れず。

勉強しなかった割にはできた!と高を括った

しかし勉強の割には思ったよりも受かったことで余裕をかましてしまいました。2年目は残り2科目だけとなり、試験2ヶ月前から悠々と勉強開始。1年前なので完全に忘れていますが、順調に勉強を重ね、私としては完璧だと思えた仕上がりで受験へ向かいました。

結果的に「社会的養護」と「子どもの職と栄養」は受かったものの、「教育原理」を落としてしまいました。ノーマークだった教育原理。マニアックなポイントが出題され、ニコイチ科目の怖さを知りました。

泣いても笑っても最後の3年目

とはいえ試験がまた1年後となるとやっぱりまた勉強はしないもの。結局1ヶ月半前から勉強を開始。今回は泣いても笑っても最後です。数々の過去問、問題集を完璧にこなして受験に望みました。

結果はやっと全科目合格!やっとのことで全科目合格したので次は実技です。

実技試験は3科目の中から2科目を選択して受験

  1. 音楽表現に関する技術
  2. 造形表現に関する技術
  3. 言語表現に関する技術

私はこの中から音楽表現と造形表現の2科目を選択肢しました。私はピアノは全く弾けませんでしたが、ギターを弾くことができたので、比較的簡単で練習することはありませんでした。問題は造形表現です。絵はなんとなく書ける程度。コツを掴めるように書籍を購入し、あとはGoogle検索で造形表現 絵で検索して出てきた画像の構図を真似てひたすら絵を描いていきました。

いざ受験。一番辛かったのは待ち時間。造形表現は10時頃から、音楽表現は16時頃からと5時間近く時間が空いていて、待っている時間がとても辛かったのを覚えています。

音楽表現に関する技術受験時の注意点

ピアノの方がほとんどの音楽表現。しかし私はギターでのチャレンジで、しかもキーを変更しての挑戦でした。多くの方はそのままのキーでのチャレンジだったようです。試験部屋である防音室へ入る順番を待っているのですが、直前がドアの前。当然前の人の音が聞こえてきます。さらに何部屋も続いている廊下で待っていたので、本来のキーのピアノと歌の大合唱。私の頭は本来のキーに支配されて、いざギターを弾き始めたら、キーを低くしていたのでとても気持ち悪く、気持ちよく歌に入ることができないというミスをしてしまいました。

結果点数はギリギリの30数点。自信満々に練習もせずに行った音楽表現に関する技術でしたが、30点未満で不合格だったので本当ギリギリで合格することができました。

見事に3年かかりました・・・

最初は一回で受かるでしょ位のつもりで受け始めた保育士国家試験でしたが、恐らく多くの方が引っかかる例にもれなく引っかかり、きっちり3年を消費してやっと合格。保育士試験では年度ごとに傾向があるようで、傾向を確認して対策を練っていけばもっと容易に受かることができたかもしれません。

おすすめの勉強法

おすすめの勉強方法としては、まずは表面的な部分だけでもざっと全ての科目の教科書を読んでしまうことをおすすめします。過去問がいいと言われていますが、根本的なことを知らなければ過去問も意味を成しません。全ての科目の教科書を全部読んでしまえば、後はひたすら過去問を解いてください。わからなかったとしても、答え合わせをした時に、確かこんなこと読んだ気がするな程度の理解があれば大丈夫。

私が主に使ったものはユーキャンの過去問など一般的に売っているものですが、最も役に立ったのは「ふくしかくネット 保育士試験科目別対策」でした。二年目の教育原理を落とした時、自信があったにも関わらず「こんな問題みたことも聞いたこともない」状態でした。しかしふくしかくネット 保育士試験科目別対策ではなんとこれらの問題が出ていたという情報を目にしました。そこで3年目はなんとしても落とせないので教育原理と社会的養護をそれぞれ購入。

一科目3、4000円なのでそれほど高くありませんが、何百ページとあるので印刷するとそれだけで数千円かかりますので結果的に1万円以上使うことになりました。印刷サービスがあります。使ったほうが確実に安いので紙で勉強したい場合にはおすすめです。私は勉強や読書は紙派です。

しかしこの大量の問題を解くことできっちりと合格することができました。しかも3年目の教育原理は1問、社会的養護は2問しか誤答しませんでした。

様々な情報が交錯しています。受験中は色んな情報に振り回されて悩むと思いますが、基本的なことを頭にうっすら入れた後はひたすら過去問&問題集!が一番おすすめの勉強方法です。

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